会派日誌

2019/3/11 月曜日◎副知事選任の議案に対する今井正子議員の質疑から討論まで

○39番(今井正子君)男性諸君にとっては大変お疲れのところと思いますけれども、女性にとっては大変大事な問題なので、副知事の選任について知事に質問させていただきます。

ただいま髙島議員の御質問にもございましたけれども、多くの県民は、副知事に女性をとの公約に期待しました。2名の副知事のうち1名は女性ということで、それはどのような思いでしたかということを今言っていただきましたけれども、その説明だけで県民の皆様の多くが理解してくれるのだろうかということを感じました。

まず、当選当時、選挙公約だけではないと思いますが、先ほどは女性の活躍がまだまだ足りない、視点が足りないということで女性にしたということでした。消費者庁から起用されましたが、長く婦人会本部にもおられました加藤さん、しかし、1期で継続もなく、そして、かつて環境部におられた現在の中島副知事が起用されました。女性副知事をどのような思いで立てたのか、そして、それがお二人で完璧に完成したので今度は男性になったということではないと思いますが、まず1点、どのようなおつもりでお立てになったのか。

そして、それをきっかけに女性の活躍を期待した県民の思いをどのように捉えているのか。今回女性が入っていないのはなぜかということは先ほどの髙島議員と同じであります。

そして、次に、今まで副知事は4人おられましたが、何を期待してどのような役割を持ってもらったのか。そして、それぞれの方に対する評価はどうだったのか。改めて副知事の役割を知事に問いたいと思います。

まず、副知事が加藤さんのときに、御出身の群馬県で知事公約として実行された子供の医療費窓口無料化について早速問うてみました。お住まいになっている千葉県でも当然されておりましたけれども、どうしてこの県はだめなんだろうかと、同じ女性、子供の母親である方に聞いてみましたが、知事の先例答弁もあり、別の回答はできないとのことでした。知事、副知事2名になれば、1本の矢が折れても、3本の矢となり、県民のための強い県政づくりができるのかと期待していましたが、知事のもとで二人の役割分担にした副知事という位置づけなのでしょうか。この役割についても再度知事に伺いたいと思います。

それから、これまで、女性は国から、男性は県職からと続いてきましたが、このお考えで選任されてきたのでしょうか。今回も含めて、副知事の選任に当たっては公務員以外の分野からの選任は検討されたのでしょうか。されたとしたら、どのような分野でされたのでしょうか。

以上6点、よろしくお願いします。

 

〔知事阿部守一君登壇〕
○知事(阿部守一君)幾つか御質問いただきました。一番最初の思いという御質問でございます。

私もいろいろなところで自治体に勤務しておりますが、例えば横浜市では副市長で仕事をしましたが、私の同僚は女性の副市長がいらっしゃいました。また、神奈川県庁で仕事をしたときは、私の所管副知事は女性でありました。長野県は、これまで女性副知事はいないということもあり、男性が副知事にいるのが当たり前という環境が長く続いたのではないかというふうに思っています。

男性、女性という差を余り強く意識しないほうがいいと思っていますけれども、しかしながら、固定的な役割の発想というのが長野県は余りにも強いんじゃないかという思いもあり、女性副知事を登用しますということを公約に掲げさせていただいたところであります。

先ほど申し上げましたように、中島副知事、加藤副知事、それぞれ女性の視点も県政の中にかなり取り入れていただけたというふうに思っておりますし、県民の皆様方からも非常に御評価いただいております。

また、副知事のみならず、特別職、公安委員、監査委員、こうした方々の中にも女性を登用させていただき、先ほど申し上げたように、公安委員長、代表監査委員、さらには教育委員長も女性に担っていただいたわけでありまして、そういう意味で、この間、女性の登用ということに率直に申し上げて私は相当意を用いてきたというふうに思っています。

しかしながら、一方で、女性だからということではなく、やっぱり適材適所、これから長野県がどこに力を置いていくかということも片方で非常に重要だというふうに思っております。そういう意味で、先ほど提案説明申し上げたような観点から今回の人事案を提案させていただいております。

また、これまでの副知事に何を期待していたかと。これは、もちろん副知事として共通の部分もありますが、あえて申し上げれば、例えば和田元副知事、太田副知事には、県職員として長年の経験をお持ちなわけでありますので、そうした経験、見識、ネットワーク、こうしたものを踏まえて県組織のとりまとめをしていただくことも重要な役割だというふうに思っておりますし、また、加藤副知事は消費者庁におられましたので、消費者行政、男女共同参画、中島副知事には、本県の温暖化対策課長もしていただきましたし、御出身が環境省でもありますので、環境エネルギー政策に特に能力を発揮いただけたというふうに思っております。

副知事の役割は、その時々に応じて変わる部分もありますけれども、私を直接補佐していただく立場として、ともに取り組んでいただくことが重要だというふうに思っております。

また、女性は国から、男性は県職員からということなのかという御質問がありましたが、先ほどから申し上げているように、そうした固定的な考え方は私自身とっておりません。適任の方をしっかり任用させていただきたいということで今回も議案を出させていただいているところでございます。

以上です。

 

〔39番今井正子君登壇〕
○39番(今井正子君)男性だけという長野県の古いイメージを刷新したと。だからもういいのか、もうよろしいですかということではないと思います。知事は、初の、初めてのと言う。人事でも、例えば、教育委員会も女性初の教育委員長と言いますが、初の文科省からの教育長を連れてこられたり、オリンピック選手も教育委員にされたり、人事も、それからいろいろな事業も初のというのが非常に多いですね。本当に刷新したというような形で新しいものにしていこうということもありますけれども、それがどのように続いていくのか。いろいろな政策や人事について細かく言う気はありませんが、女性という点では、そちらに田口さんもおられますけれども、いろんなところに女性のトップを持ってこられました。でも、副知事という一つが、それが最初の選挙の公約の中で消えていくということではないと思います。
女性は国から、そして男性は県職からということではなくて、もっと一般のところの検討をされたかどうか。この点につきまして、もっといろんな分野、きょう傍聴に来ておられる方もおられますし、いろんな方たちがおられます。この中にいる方、職員の方、女性はほかにもいっぱいいたのでは。女性職員もたくさんいたはずですがどうなんでしょうか。そのことも含めまして再度その質問をさせていただきたいと思います。

また、女性副知事がいたことにより女性ならではの視点や気づきがあったということを髙島陽子議員が細かく言われましたが、今回、千葉県の野田で虐待死のことがありまして、相談所、教育委員会の姿勢が問われています。中島副知事は、虐待問題、施設、それから施設で育つ子供たち、家庭で育つ里親が預かっている子供たち、本当にたくさんにかかわって直接指導していただきました。こういう観点がなければ、もっともっと千葉県の今のような問題が幾つも幾つも出てきたのではないかと思われるほどたくさんのことをしていただきました。これはまた、男性では、言っていくほうもまた言いにくいのではないか。このような形で本当に感覚としてわかるということはないのではないかというふうに思うんですが、そういう身近に女性たちが感じているという……
○議長(鈴木清君)今井正子議員に申し上げます。
○39番(今井正子君)県民の思いをどう思うでしょうか。

では、今回の選任に対して女性は検討されたのか。
○議長(鈴木清君)発言を終了願います。
○39番(今井正子君)そして、県民の中に、男女一人ずつということでなければ、今までどおり副知事は1名でもというような……
○議長(鈴木清君)再度申し上げます。
○39番(今井正子君)声もありますが、どうでしょうか。
以上です。最後の残りをお答えいただき、終わります。
○議長(鈴木清君)私が申し上げた時間外は質疑の通告時間に入っておりませんので、御了承願います。

 

〔知事阿部守一君登壇〕
○知事(阿部守一君)副知事の任用は県の職員から任用しなければいけないということはありませんので、当然、私としては適任者を広く検討させていただきました。適材適所の人事ということを心がけたところでございます。

以上です。
○議長(鈴木清君)以上で第34号の議案に対する質疑は終局いたしました。

本件につき討論をいたします。
今井正子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。

今井正子議員。

 

〔39番今井正子君登壇〕
○39番(今井正子君)副知事の選任につきまして反対の討論を行います。

16年前、私が当選した当時は、知事提案の人事案はほとんど否決でありました。田中知事だからという理由でしょうか。人格高潔な我が隣の町の町長も人事委員で否決され、再提出をした別の委員でも否決されました。また、県議会の中の議員であった方も、大勢の仲間、与党とされる皆様に否決に遭いました。もちろん、私はそのときは否決はしませんでしたが、そんな時代でした。

また、折しも、本日は、14年前、山口村が岐阜県に越県合併された日であります。平成の終わりにと、信州に残りたい、ずっと信濃の国を歌いたいと最後まで頑張った当時の村会議員、庄司由美さんと婦人会長島崎さん御夫妻が見えています。県土全体で残りたいと署名活動を続ける山口村民や、県内外からの世界的文豪、島崎藤村の生誕地馬籠は信州との声もあわせて、時の知事は、国に合併申請をしない姿勢を示しました。しかし、知事が出さないなら県議会の議決をもって申請をと、岐阜県に越県合併を決定したのもこの議会でした。加藤村長とともに藤村では客を呼べぬと率先して旗を振った馬籠観光協会。しかし、この1月、協会は、馬籠を木曽郡の……
○議長(鈴木清君)今井正子議員に申し上げます。議題に限定して発言を願います。
○39番(今井正子君)観光協会に戻してもらいたいと要望してきました。

議会の役割は大きい。そして、それは何年、何十年たってから評価されるとの思いであえて人事に討論させていただくことにいたしました。

8年前の知事選は、当時の副知事と県立信濃美術館長の戦いの中で、副知事を二人制にし、そしてそのうち一人は女性にと訴えられた、草の根で当選された阿部知事。長い間にわたり、子供の心を豊かにと、PTA母親文庫活動や婦人問題研究会20年、そして、引き継がれた女性議員をふやすネットワークしなのなど、女性団体の熱い思いもありました。

特に、長野県の厳しい実態の中での副知事席、今の時代、男女にこだわることはないし、また、女性なら誰でもいいのかとの批判があるのは承知しておりますが、その長い歴史の先頭に立っておられた80代後半、90代の知事の後援会長のような私たちの母の世代の勝ち得たものだと考えますと、この人事案には、県民の皆様の声をお伝えする役割の議員として、多くの同意できない点をお伝えするしかございません。

現在上程されましたお二人の方々は、ともに人格高潔で行政知識も豊かで、知事の期待に応えることと思います。お二人個人を否定するつもりは毛頭ございませんが、女性を政策決定の場へと半世紀にわたる女性運動の末端にかかわったものとして、賛同しかねます。

以上をもって反対討論とさせていただきます。

 

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