平成27年3月3日
今井正子 2月定例会
脱原発・護憲・平和主義の今井正子でございます。
一昨日、佐久地域において118年の歴史を持つ農業一筋に生きた北佐久農業高等学校と108年の伝統ある臼田高等学校が閉校となりました。また、長野県岩村田高等学校の特色ある工業科が閉科となり、それぞれさいごの卒業式が挙行されました。残された1・2年生は4月より北佐久農業高校の校地にできた「佐久平総合技術高等学校」の生徒として統合し、新しいスタートを切ります。「北農魂は永遠です」「臼高魂は永遠です」と声高らかに生徒代表が述べた姿が印象的でした。「それぞれの校風を持つ89の高校を1つもつぶさせない。存続し、発展させていくのだ」と、生徒の思い、PTAや同窓会、高校現場から議会へそして地域の声の代弁者として出たものとして、式典で挨拶させていただく時は、万感胸にせまるものがございました。
協議会の座長が戦後の高度成長期に工業科(機械・電気)を創る議論がなされ、「やはり農業は農業だけで」との意見が多く、普通科の岩村田高校に併設されましたが、今回は広い農業高校の敷地に新しい工業棟を建て移り、そして、そこに10㎞離れた臼田高等学校が統合する。手の行き届いた農場や50町歩の平地林、そして宿舎を持ち、かつては 看護科も含め1,200人の生徒数を誇った臼田高校が2学級全校240名プラス小諸養護学校高等部分教室1学級8名の「臼田キャンパス」となった。臼田の分校として開校した小海高等学校は存在している。とにかく校舎校地が残ったことでまた時代が変わってどのようにも発展出来ると、一旦は納得しながらも後で開かれた「語る会」ではまだ「本当は県教委に問句を言いたい。分校基準に至るような生徒数でもないのになぜ臼田高校をなくすのか」と、本音のごあいさつもありました。
(統廃合の責任者である教育長にこそそのような会について同窓会や地域の本音をきいてほしかった。会議や式典のみでなく、その後の真の声を聴いてもらい教育はいわゆる行政的手法で行われるものではない。次代を担う子ども達づくり、つまり人づくりはやはり「人々の思い」に沿って進めてほしいと切に願うものであります。)
順次教育長に質問致します。
10年もかけた佐久地域の県内まれな3校を1校にという苦しい再編がようやく実行されようとする時に既に第二期の高校再編の始まりのような「将来像検討委員会」ができあがっています。設置目的と審議内容について伺います。また、具体的な再編統廃合を一期の際に作った『数による分校廃校へのルール』で絞ることはないか、地域の不安にもお答えください。
そして、今回教育委員長も兼ねることになる長野県初の文科省から出向されている教育長に、信州が教育県と呼ばれた理由についてもお尋ねします。
14名の委員会に、佐久市・小諸市・南北佐久地域つまり第6通学区の委員は1人もおらず、中南信が多く上田市・小県郡もおらず、東信地区全体で東御市から1人であります。どのように東信地域の高校について議論されるのか不安です。
また、他県では10数年前の再編のはじまりに鳥取・三重・福井・静岡などの県では「地域校は1クラス33名、農業科は30名、音楽科は25名×2クラスなどと県予算で負担をしながら特色ある学校づくりの為の高校再編計画を掲げ、現場や地域と共に考え、譲歩しあっている。
あれから15年、是非長野県も「一律1クラス40名」と言い続けず特別支援学級からの生徒の6割が進学する地域高校や定時制の生徒数にも踏み込んでから二期は始めるべきです。
新校がスタートして、これからが地域で作り上げるのに少なくとも10年はかかります。どうか拙速に進めないでください。卒業生が母校といわれる故郷が消え、横や縦の心の支えがなくなった地域になってしまいます。
文科省では今までの1つのコミュニティを小学校単位また、防災の拠点を小学校単位とされていた2㎞、4㎞、圏内から基準を見直す方針を決めました。行政管理上の効率化ともとれるが、山間地の多い長野県において統廃合により学校がなくなった地域ではより一層過疎化が進む恐れがあります。
(孟母三選ではありませんが、学校の近くに次世代の家は建ち、都市部に集中することになります。)
統廃合せずに学校を存続させる一斉スクールバスでなく歩いて小中学校に通う子供たちに十分な教育を受けさせたいと願う自治体も多い。県はどのような配慮・支援ができるのか伺います。
続いて、他県に比べこの自然の多い長野県で小中学校生の体力低下が問題なっておりますが、体力向上の為の取り組みの現状と新年度からの強化対策について伺います。
関連して、中学生女子の運動部離れ等の原因が朝部活の厳しさにも起因するような、また中学生時の医学的見地からとの検討会のご提案を受けて突然出された「朝部活原則廃止」お通達。ショックを受ける生徒・先生・怒る親。もちろんその逆もあるとは思いますが、一生懸命集団の中で自己を鍛える部活動に燃えている生徒の声は誰が聞いてくれるのでしょうか。1学期3年生の大会が
終わると同時にそんなに厳しくない朝練も学校・生徒・保護者で話し合いながらやってきた放課後の部活も地元教育委員会の姿勢一つで変わってしまう。もちろん各校長の勇断で変わらない所もあ、現状はどうか。
①広い長野県、統一することはないのでそれぞれの学校判断・部活判断に任せてほしい。
②12歳~15歳の中学生期は学校の中で勉強と共に③スポーツや文化等に仲間と集中して体力や精神力を使い尽くすに適した時期であると思います。
④全員が全員という意味ではないが、今までの生徒ができたことはやれるので
可能性は伸ばしてほしいと思います。
⑤この4月より、教育委員会制度は大きく変わります。大津市のいじめ問題などに迅速に対応するためなどとして知事や市町村長が教育長や委員を招集し、環境整備や予算編成についての教育会議の設置ができることになります。事実上教育委員長は廃止となり、知事から直接任命を受ける教育長に1本化されます。
知事として注意をしなければいけない点をお聞きします。
教育は国家の思うようにマインドコントロールできるところということは、日本の戦争の中で満蒙開拓に多く送った県として、また人形魚雷、特攻隊の歴史を聞くたびに思うところであります。その反省の中で確立した教育の独立性は保たれるとお考えでしょうか。制度の最後となります教育委員長に伺います。
また、合議制の教育委員会制度ではなく、直接教育長や委員を招集し、教育会議を開くことができるようになる知事にも制度改革の注意すべき点を伺います。今回教育長と委員長を統合して、教育長を任命致しましたが、新教育長職として、何を重視して任命されたのか、伺います。
形骸化の指摘も受けたことのある定例教育委員会でしたが、事務局案から委員会で変更して決定した事例はありましたか。これまでを振り返り、特に印象に残った決定事項、また教育行政の課題など、最後の委員長として、思いのたけをお話し下さい。
いじめ防止について、5点教育長に伺います。
川崎の13歳に少年が殺害されるというむごい切ない事件がありました。沖ノ島から都会に転向した中1の少年。また、加害者として逮捕された3人の少年たちは本来なら昼間学校やクラブに燃え、夜半は眠っている高校生年代。4人がそれぞれどんな日々を送っていたのかと思うとかわいそうでなりません。が、生身の人間や命の大切さを想うとこの残忍さは取り返しが許されるものではありません。このような事件を出してしまった社会は自分を含め貧困である。教育長はこの事件をどのようにお考えですか。国は大津市の危険を機に「いじめ防止対策推進法」を制定し、重点的に取り組んでいる矢先でしたが、この効果と運用についてはどのように考えていますか。また、滋賀県大津市市役所前の学校であったいじめについて、どのように認識されていますか。
加害者には「懲戒」や「出席停止」など厳罰化で対処するとなっていますが、加害者の更生はどのようになされるのか。
出席停止にしても家でしっかり見守る保護者がいなければできません。子供の貧困も極まりない状態です。
殺人や自殺という最悪の結果になる前に「いじめ」に気づき、皆で対処していかなければなりません。それにはできるだけ多くの目で、また1人を見つめる時間や回数を多くしていくことだと思います。少人数学級の効果もその1つだと思います。
国立青少年教育機構が全国9小中高生約1万人を対象にした調査によると「高い山に登ったことがない」およそ53%。「大きな木に登ったことがない」37%。「太陽が昇るとところや沈むところを見たことがない」32%。「貝を採ったり、魚を釣ったことがない」25%。「野鳥を見たり、野鳥の声を聴いたことがない」21%。「夜空いっぱいに輝く星を見たことがない」17%。「昆虫を捕まえたことがない」20%。自然体験の貧しさ、インターネットやテレビでもその風景やさえずりは聞けるが実体験がない。(実体験の貧しさは、自然体験が少なければ、大自然への畏怖の念が薄れ、社会体験が少なくなれば社会への恩を忘れる。)
(実体験の中の感動こそが人間力を育み、倫理力を醸成する。)調査の中で、すべての学年を通じ自然体験や生活体験の少ない生徒ほど「道徳観や正義感」が弱いという結果が出ている。
また、県で考えているいじめ防止対策推進条例には国にない第7条2項「教職員の言動が児童生徒に与える影響を十分認識して授業その他の教育活動を行わなければならない」は、当たり前のことであり、敢えてそこまで踏み込まず、教職員との信頼の下で行う教育活動に制限を加えたり、管理が強まるのではとの意見も多い。なぜ、加えたのか書くべきではないと思うが、教育長、いかがでしょうか。
県内でも飯田高校の殺人事件はじめ、飛び降りを含む様々な自殺で命を亡くした子ども達がありました。お子さんをいじめで亡くし、行政と争った方が子ども課長となり、防止に務めようとしたこともあつたり、強豪チームの部員だった息子を亡くし、できれば裁判は避けてと1ヵ月待っても会見しない県教委に、声の真似をされて嫌だったとされる先輩と校長先生を訴えたお母さんに対し、高校生の部員全員の名前で亡くなった仲間のお母さんを訴えた事件。50~60人の生徒たちは裁判に訴えるなどということを思いついたのだろうか。生徒達もふびんであり「息子を返して、返して」と泣き、落ち込む母親もかわいそうであった。泥仕合のようになったが、途中で母親は心労で裁判に行かず、県教委や子供たちの全面勝訴となった。亡くなった夜、枕元にあったメモの遺書「お母さんが寝たので死にます。」というやさしいお母さん思いの本人らしい文面。その夜、庭であった保護者会の通達に逆らって内緒で来たという同級生両親に数日後呼び出されていって見せられたものは超拡大された「お母さんがやだので死にます」という文面。テレビの画面の文字をとって拡大したというものだった。「いじめではなく、家庭での自殺」となったのであろうが、1つ年下の弟は別の学校で無事3年間部活動をやり通し、卒業していった。子を失った悲しさ、友達を失ったショックは心に重くのしかかり、その後の人生を生きていくことになる。気づきを早くといわずにはいられませんが、国の法に沿った条例はあったほうが宜しいでしょうか。知事に伺います。
児童福祉について伺います。今回の予算では、9月11月と質問しておりました不育症から男性不妊までに拡大された3番目の子どもの保育料無料化と思い切った支援素子て施策に県民の皆様も喜んでおります。2子3子はどうか、また群馬県と接する軽井沢等わが地元では児童福祉についても、児童福祉施設で暮らす70~80人の子どもが地元におり、児童虐待等の増加により、社会的養護にはできる限り、家庭的な養育環境の中で特定の大人との継続的で安定した愛着関係下での養育を国も打ち出してきています。おたずねします。①県外の社会的養護施設に入所している生徒の状況はどうでしょうか。②これまでの施設から家庭的養護の推進はどのようにはかったらいいのか。③週末等に児童施設に入所している子供たちを家庭的な絆を深めるため、ホストファミリー制度の利用状況はどうか。④里親の登録を見ますと21年度に前年比で50世帯も減少していますが、どのような要因なのか。⑤家庭的養護を推進するには、里親の存在が大きいと思いますが、里親になってもらう人を増やすためどのような取り組みをするのか、また、養育することによって経済的、精神的な負担があると思われるが、どのような支援をされているのか、伺います。
進学しなければ15歳、進学すれば18歳の卒業時、子供たちは施設を退所し、自立することになっています。
本年は、ルートインジャパンから足長おじさんともいえる高等教育機関への奨学金制度設立といううれしい支援もあります。退所後の人生を支え続ける為に、施設や家庭の愛着関係のある人々が必要です。
「子供の貧困」「社会の貧困」といわれる時代ですが、大人たちが価値観を変え自らが動けば豊かな社会づくりも夢ではありません。
生まれてはいけない生命はありません。
農業振興について中村農政部長にお聞きします。
予算計上されている「和牛の受精卵確保緊急対策事業」の詳細と、今後の酪農・肉牛経営に対する支援について伺います。昨年の大雪による農業ハウス等への被害について、国の事業の延長方針は出されたのか。また、現在の申請の状況と復興の見通しはいかがか。米価下落の中、更なるコメの輸入やTPPなど国の農業政策に対し、長年長野県の農業政策に携わった立場から、本県の農業振興えの提言等以上3点農政部長に伺います。
最後に、大北森林組合の補助金不正受給について、林務部長に伺います。①今回不正受給が発覚した補助金について、過去5年間で国からどの位補助金があったのか。また、県の補助金額はどのくらいか。そのうち森林税はどの位充てられているのか。②現在調査中で全容はわからないと思うが、他の地域でも同様に事例は見つかっているのか。③補助金の完了検査を書面のみで行っていたとのことだが、他の地方事務所でも現地調査を行わず、書面のみで検査を実施しているところはあるのか。④間伐が終了していないと分かった4月から12月までの8カ月の間に、県は何をしていたのか。⑤12月になってから知事に報告したのはなぜか。⑥今回の森林作業道整備は会計検査院の検査対象となっていたと思うが、現地調査は実施されなかったのか。
長野県の8割は森林といわれます。
林業は、事故の多い大変な作業でもあります。まじめに一生懸命やっている業者さんもたくさんあります。林業センターにある高性能機械は一定の仕事量をクリアしないと貸出対象とならず、会社で購入できない小さな業者さんにとっては今回の補助金はありがたいものでした。
アクションプランも10年間ということで、田中知事時代から打ち出され、代々の知事もつないできました。間伐や山の手入れに目を向け、本当にこの森林長野県をこれからも充実したいいものにしていくためにはこの不正事件についても、徹底して調べられ、そして大事な森林税、税金を使っておりますので、今後こういうことがないようにしっかり、森林を守っていただきたいと思います。以上で質問を終わります。