会派日誌

2017/12/12 火曜日平成29年11月定例会 一般質問

脱原発・護憲・平和主義の今井正子でございます。

 

(「学びの県づくり」における図書館の役割について知事に伺います。)
先日長野市で行われました「第67回長野県図書館大会」に、片山元鳥取県知事が知の地域づくりの基盤である「人」を育てる教育のもととなる図書館と地方自治について語られました。その後、阿部知事と対談なさいましたが、長野県の施策に取り入れるべき点はありましたか、(それはどのようなところでしたか。)

 

片山さんは15年前、長野県の県立高校にすべて正規の図書館司書がいることを知って、即、鳥取県の全高校にも配置し、その実績をことあるごとに市町村長に話し、小中学校の9割強も実施に至ったという実践家です。『地方自治と図書館』という本を書かれ、(図書館の司書を皮切りに)「知の地域づくり」を地域再生の切り札にして鳥取県の教育を変えました。当時長野県では小学校35人学級を導入する時の野次と怒号の県議会、文教委員長が「35人は違法だ」と議会を中断させ、職員を文科省へ飛ばすなど大反対の中、強引に推し進めた知事の小学校1年35人学級でしたが、次の知事も中学校まで導入し、そのままいくと平成25年度に高校まで終了だった制度を、15年前に一気に高校まで40人以下学級を導入し、国からの不足分の教員数はすべて県費で補ったのです。遠慮がちな教育委員さんを集め「現場で今望むことは?」と聞くと、同席の財政課長を気にしながら『よくやっていただいています』との返事。次に財政課長をはずして聞いたところ『教員を増やしてほしい』と本音があり、早速教員の欠員補充をしたところ、現場に行ってみると若い先生などはまだ大変そうだったのでさらに増やしたとの事。もともと6人の子の父親でありPTAとして学校へ行くことも多く、まさに現場主義の人でもありました。このような手法を知事はどのように評価されますか。
次期5ヵ年計画では(「学びと自治」をうたい、学びの県づくりを目指しておられますが、)鳥取県が実施したような図書館づくりや今や非正規も増えた県立高校図書館司書の正規化、少人数学級等についてはどのようにお考えですか?

 

(マニュアルや解説本だけに頼って政策や条例案を作るのではなく)自治体が独自に解決策を講じるためには、自ら考えるための基盤となる資料や情報力が欠かせないと県庁に図書室を作り、背後に県立図書館の資料・情報を持つ優秀な図書館司書を配置した例も語られましたが、長野県でもいかがですか? (行政の知の拠点だけでなく、県立図書館分室でも、県民の皆さんが利用できたらいいですね。)
罪を犯して少年院や刑務所に入った人達の生育歴を調査して書かれた『本のないところ暴力がはじまる』や『自殺したくなったら図書館へ行こう』とのスローガンを掲示しているアメリカの図書館もあるように、「生きていく力」すなわち自立を支えることが図書館の重要な役割である。昭和25年子どもたちの心を豊かにするにはと考えた信州大学付属小学校のPTAでもあった叶沢清介長野県立図書館長は、(付属小を中心に)全県の小中学校に「PTA母親文庫」をつくり、県立図書館で購入した本を学校や子どもを通じて回覧し、全県に読書推進・公共図書館づくりを進めました。「本との出会い、人との出会い、そして後ろ姿の教育」として60年以上にわたり「PTA母親文庫」後に「PTA親子読書推進の会」として続き、今でも各地で活躍するこの活動を知事はどう評価されますか?
各地に図書館ができ、又、県立図書館も回覧する本を購入する余裕もなくなり図書館大会はじめ各地での発表・交流など全県の読書推進の事務局を務める人的余裕もない中で最後まで支えてくれた県立図書館でした。現在は(読書推進のほか、探求型の学習の役割も増え)「学習センター・情報センター」としてのミッションもあります。学校図書館や公共図書館の手の回らないところに県立図書館が市町村支援をする拠点となるべきと思いますが知事のご所見を伺います。(現状に戻って)教育長に、①県立高校の正規図書館司書の占める割合と今後の見通し ②県立高校の図書館や司書の果たす役割について ③公立小中学校、特別支援学校の図書館司書の配置状況、正規か臨職か、又、今後の方針について伺います。

 

「学びの改革、実施方針策定に向けて」の考え方が公表されました。本日備前議員、小林東一郎議員の質問もあり、私は(9月議会で議した各地区の協議会の設置や少人数学級の導入もありましたが、人選やモデル校制、基本方針については)委員会でしっかり質問していきたいと思います。
先日、福井県の教育委員会に視察した際、平成16年(今から13年前)すでに小学校35人学級(31名以上2名)、中1ギャップと言われる中学1年生は30人2年3年は32人でした。さすが学力テスト上位県と納得し、福井の高校は? と、お聞きすると「40人学級なんてあったかな?」と言われ、恥ずかしいやら驚くやら、工業科は学級32人、(福祉は)26人他でした。(自民党の知事さんでしたが、知事は教育に予算かけすぎと批判されても通してきているとの事でした。)ちなみに学力テストの高い秋田を調べましたら「ほぼすべての高校で35人以下学級実施」ましていわんや小中学校でした。(両県の核家族が少なく、宿題も見てもらえる人がいるという特色は我が県も共通でした。)
(15年スパンで検討され実施された高校改革。)少人数学級導入はすでに23県が行っています。特別支援学校からの進学も6割を超えています。今回モデルとしてあがりましたが、今実施しないと15年先まで遅れたままです。1人1人の生徒が大切にされるには(「教育費無償」とか「給食費無料」のように派手な改革ではなく、フィンランドの25人を目標に)諸外国並みの生徒数でラウンドテーブルを囲み先生と議論し合える数にしてほしいものです。大学入試も変わり、探求型の学びを進める教育長に伺います。隣接県が(少人数学級で校舎を新しくし魅力ある高校づくりをし、)長野県枠を持ち県内の公立中学校に進学説明に来ています。本年山梨県へ通う生徒は100人を超え北杜市や韮崎では新しい校舎に普通科35人、他は30人の少人数学級です。又、軽井沢と接する群馬の長野原、嬬恋では、普通科32名、スポーツ健康16名、流通ビジネス16名です。県境の高校が存続するためにも隣接県の通学圏内からの生徒の入学についても早急に検討願いたいと思いますが、教育長に伺います。
県は、移住や二地域間居住を推進していますが、子供たちの通学はその第一歩となると思いますが、企画振興部長のご所見を伺います。
長野県が教育県と言われたのは「どんなに親は貧しくとも子どもたちには教育を」と、寺子屋数日本一・分校の数日本一と「どこでも誰でも学べたこと」、教育費が県の総予算の3割超だった為と聞いています。知事の7年半でやられた主なる教育施策を挙げていただき、今後はどこに力を入れられるのかをお聞きいたします。

 

高等教育については郷学郷就をうたい県短の四年制化また私大の公立化、増学部をと頑張っておられます。一方、(高校再編により改築した高校が廃校になったり、)創立120周年を迎える蓼科高校のように教室、体育館、管理棟すべて昭和38年改築、野沢北高39年1棟など6通学区には現在築54年の校舎もあります。県立高校やプレハブの増築の多い特別支援学校が抱える校舎や設備の老朽化等教育の基盤整備についての知事のお考えをお話しいただきたいと思います。
中教審の教員の働き方改革によるカウンセラーや部活指導員等縦割りの分業化による外部からの支援よりも、児童・生徒一人ひとりを大切にするには、児童・生徒と長時間接する正規職員の増が必要です。わが県ではここ10年で(公立小学校で2倍、特別支援学校は)2倍強となる教員定数の欠員があり、高校も含めまず欠員を正規職員で補充すべきと考えますが、教育長いかがでしょうか?
(小中学校平成19年11,192人の正規職員に対し、1,342人の臨時職教員のうち、産休育休、休職、療休、介護休補充を引いて欠員は735人。)公立小中では本年(平成29年は)10,307人と10年前と比較し900人減となった正規の職員。臨時教員は200人増えて1,542人。そして欠員は正規職員の1割ともなる1,076人、341人増であり、平成23年度(前年より約100人増えてそれ)以降ずっと1,000人を超えた欠員です。特別支援は193人欠員、高校は200人欠員の他多くの非常勤がいます。この数字を見ただけでも胸が張り裂けそうです。臨時で1年毎の採用は本人にとっても周りの正規の先生にとっても、何よりも子どもたちにとって良い学習環境とは言えません。現場をそのままにしておいていいのでしょうか。かつて、35%あった県予算に対する教育委員会予算の割合も現在21%から22%で推移しています。学びの改革を目指すわが県として、より大きな予算の確保について知事の英断をお伺いします。

 

長寿県長野として介護従事者の支援について健康福祉部長に伺います。
2025年推計で8,000人不足と見込まれる県内介護人材。(若い従事者が起こす事件が続きましたが、)高校では福祉コースを学ぶ生徒は多い。しかし実際に福祉の分野に就職していく率は低く、又、離職率も高いといわれますが、①長野県の状況はどうか ?福祉現場は子育て中の一人親の就業率も高い。基本給が安いため夜勤や休日勤務を望むことも多く、子育て支援の観点から県としての支援を行うことはできないか ?賃金水準の引き上げ1万円、介護保険施設の人員配置基準を利用者2人に対して職員1人以上に引き上げること、夜勤一人体制の解消等、介護職の重要さを認め、福祉医療体制が目まぐるしく変わる国に対し、法整備をするよう働きかけることはできないか、以上、3点を健康福祉部長に、又、長寿日本一を誇る長野県において外国の方を頼らず、介護人材を確保する為にも、先取りして県として何らかの施策を「しあわせ信州次期5ヵ年計画」に早急に盛り込むべきと思いますが、知事のご所見を伺います。
最後に森林税について。森林税はまず森林整備に活用することが基本であるが、①各地区を回りその使途等について県民の意見の集約をどのようにまとめられたか ?現在、未整備な森林は所有者等権利関係が難しい所が残ってきている。チェック体制は2人体制となったがマンパワーが増強されなければ権利関係の事務処理等外部に委託しその委託料に森林税を活用できないか、そうすれば森林整備は進むと思うがいかがか ?信州らしく公共表示板をというなら、街道沿いを木製ガードレールで信州らしく整備できないか ④松くい、松枯れへの対策の利用希望も多いが具体的にどのように考えられるのか ?農業委員会のような林業委員会をし、山を見守る大人たちも必要。森林パトロールをし、松枯れ、鳥獣対策や治山・治水・防災にも活用できないか。以上、5点林務部長に伺います。

 

小さなときから山に親しむ事が大切である。今回の条例案でも検討されているが、保育園や小中学校での山体験への活用について、又、県立高校の学校林の作業につて、県民文化部長と教育長に伺います。

北佐久郡3町までの歴史

かつて 現佐久広域(県佐久合庁に属す地域)は 小諸市も北佐久郡小諸町、岩村田も浅間町として、現 浅間中、佐久東中地域を含め、軽井沢から立科の 横鳥村まですべて北佐久郡であり、現 中込中、野沢中から川上村まではすべて南佐久郡であった。両郡の真ん中をとって佐久市が誕生し、上小地域との境界までをまとめて小諸市が誕生した。昭和32・33年の合併を通して北佐久郡は軽井沢町、御代田町、浅科村、望月町、立科町、北御牧村の6ヶ町村となった。

 

茂田井は立科町にと合併を望む声の多い中、一部 本牧に近い地区は反対をし、激しい分町賛成反対闘争があり、望月町茂田井という地籍が残った。御代田町の小田井など佐久市や小諸市の境界線地域では分地区の歴史も少なくない。

 

平成16年・17年の合併により、北御牧村は東部町と東御市を 又 佐久市合併協議会に参加していた御代田町、浅科村は1年後 急きょ御代田町が抜け、大佐久市10万人都市構想が消えたかと思いきや 同様の人口1万人をもつ望月町が突然加わり、予定通り「10万人都市佐久市」は誕生した。望月がなくなり佐久市へ行くなら、この際 茂田井は1つになり立科にと望月町茂田井代表の家に集まったり、協議会に後から加わり条件が厳しくなるにつけ「これ以上要求されれば離脱する。その際は共に…」と立科町でトップ同志の集まりもあったが、議長会等議員間交流で即(合併推進派議長等)佐久市側に伝わり実を結ばなかった経過もある。(昭和の大合併の時のように むしろ旗に火を放つかどうかなどという茂田井の分町問題にはならなかったが、町民にとっては誠に半世紀に1度のチャンスを逸したともいえる。)

 

現在 自立を標榜し頑張る3町(軽井沢町、御代田町、立科町)が北佐久郡を成し、広域的には佐久市、小諸市と対等に「郡」として1行政体を継承している。又「郡」は飛び地であっても連合体として、1つの「市」と同様の役割を果たし、医療、福祉(当番医を含む包括医療も)、教育(学校・生徒・教育委員会のみならず、PTA・同窓会又スポーツ、音楽、文化活動等)、商工会、建設業、農業関係団体、消防団や交通安全協会など防災防犯組織や遺族会、一人親の会や文化・歴史行事を含め、従来通り人の交流が継続している。

長野県の特性を生かした選挙区割りの議論について(要望)

平成29年3月13日

長野県の特性を生かした選挙区割りの議論について(要望)

無所属  今井 正子

 

平成の大合併が進み、全国では町村が減り、国の公選法の改正で「郡」という言葉が消えたが、長野県は全国で2番目に市町村数も多く、14郡23町35村が維持されている。大合併10余年後、77自治体のうち23町、35村が自立を標榜し頑張っている。郡の面積は全県土の半分より広く、人口も県民の1/4強ある。
当時県議会の半数近かった議員数は、58人中12名、1/5弱である。

 

「郡」は飛び地であっても連合体として、1つの「市」と同様の役割を果たし、医療、福祉(当番医を含む包括医療も)、教育(学校・生徒・教育委員会のみならず、PTA・同窓会又スポーツ、音楽、文化活動等)、商工会、建設協会、農業関係団体や又遺族会、一人親の会や文化、歴史行事を含め、従来通り人の交流が継続している。「全国では消えていった郡も長野県では健在であり、郡内の自治体が飛び地になっていても、町村会や議会はじめ住民交流も一体的に活動している現況があり、県議活動についても飛び地を理由にした停滞感や疲労感は全くありません。」という郡部の議員の意見に全く同感です。

 

「一人区・飛び地解消」も長野県では平成大合併後に議論されましたが、現在全国には茨城県や岐阜県のように、全県選挙区の半数以上が一人区という県が10県程もあります。又「一人区」は死に票が多いという声もありますが、郡部町村からゼロになるよりは より多くの民意が反映できるという郡部町村民の声も根強い。

 

「一票格差について」も一番人口の多い郡市を諏訪市にするか下伊那郡にするか、又は、例えば岡谷市等にするかによっても現在の3案が不要になるかもしれません。 それにより「定数」に波及するなら58の多少の増減を考えるか、特例市に対する議論も必要かもしれません。(増なら全議員報酬額を変えなければ県民の理解も得られると思います。)

 

全国で4番目に広く、8県に接し、全国2番目の自治体数を誇り、そこで暮らすより多くの県民の声を生かすにはどのような代表選び(選挙区)がよいのか、単なる数字や地図上の区割りでなく、長野県らしい議論を重ねた結果であれば、現状であっても定数が増になろうが、県民の理解は得られるものと思います。

 

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