平成25年9月30日
今井正子 9月議会一般質問
脱原発・護憲・平和主義の今井正子でございます。
農業立県である本県の9月議会が、国の情報公開がなくTPPについての具体的議論もなく終わろうとしています。大変不安であります。
また、世界の皆様の不安―犠牲となられた「福島」が、オリンピック開催決定により、原発がゼロに向かって大きくかじを切ることを期待しています。その頃には県立大学でもグローバルな人材が育ち始めているのでしょうか。
私は女子教育の伝統ある短大機能を残し、更なる資格を取れる4大との併設を考え、また経営マネジメント学部オンリーに不安を感じ、県内にない薬学部の設置など、この議場で訴えたこともありました。
英語に重点を置くなら、せめて今ある英語教員の免許状取得は残し、これから世界に羽ばたく後輩達に違法でなく教えることが出来ればと思います。
(家庭経営・子育ての基本となる家庭科、また国語の教員免許状取得の許認可も失うのはもったいない気がします。)
質問に入ります。
1.しなの鉄道の存続・維持について
しなの鉄道の接触事故について、企画部長に伺います。
新幹線決定と同時に、切断された全国初のJR本線―信越線。隣県との鉄道を断ち、ドル箱と言われる篠ノ井―長野線を切り離し、本議場で黒字間違いなしと太鼓判を押されスタートした第3セクター「しなの鉄道」。
乗車料金は徐々にアップし、3割近くとも言われていますが、地域にとってなくてはならない公共の足です。何としても、存続・維持していかなければなりません。今回の事故により安心・安全の部分を外注していることがわかりました。責任の所在はどこにあるのか。また、運営管理について県はどのように関与しているのでしょう
か。
(赤字を黒字に変え、頑張り始めたしなの鉄道に初のJR出身の社長を迎え、雪深い長野以北を引き受ける際、途中のドル箱篠ノ井―長野間も経営譲渡され、軽井沢から1本の鉄路運営になるのかと期待しましたが、実現されず、今度は金融出身の方に代わりました。)
冬期間の除雪はどのような体制で行われるのか。また、経営が厳しい所を切り離していった国やJRに強く要望するのはもちろんでありますが、県が長野以北、またしなの鉄道を直接支援することはできないのか、以上、住民の目線でお答え願います。
2.勤勉な県民性復活と県立図書館の充実について
(次に、子どもたちの心を豊かに育てる読書、大人たちの本を読む「後ろ姿の教育」・・・)勤勉な県民性の復活について教育長に伺います。
『教育は百年の計。米百俵。』と言われる子ども育て。他県が長野県を教育県と呼んだ理由に
1)寺子屋・分校の数が圧倒的に多い。
2)教育予算が県全体の3割強を占める。
3)勤勉性、本を読む―田んぼのくろでも、もんぺをはいて婦人公論をよんでいる―などがありました。
子ども達の心を豊かにするには、本を読むこと―しかも、親たちが本を読む後ろ姿を示し、共に成長していくというPTA母親文庫。現在のPTA親子読書推進の会。昭和25年県立図書館の叶沢館長が提案し、信大付属のPTA(-保護者や先生方)から始まり、県内全域に広まった、全国に例を見ない活動でした。まさしく、子どもを介し、保護者と先生方(ペアレントアンドテイチャーアソシエイション)の協働でした。戦後の物のない時代でしたので、県立図書館で購入した本を郡単位に配本し、各学校の役員が風呂敷で背負って持ち帰り、各クラスごとに子どもを介して本を回しました。(共通の本による集団読書のような形態で、参観日には感想を言い合ったり、意見交換をしたり、校長先生から読書講話なども聞きました。)時には、自分なら決して手にしないジャンルの本が回ってきましたが、それも「本との出合い、人との出会い」として受け入れ、(「感想」を書くのが大変になると「◎」「○」「△」、期間内に読まなかったら「×」をして回すなど、形を変えていきました。そのうち参観日に親が選んで借りる形の学校も増えました。)「読むこと、書くこと、話すこと」をテーマに、(文学少女にふさわしくない私なども3人の子どもがそれぞれ学校から持ってくるので、本を開いて題と目次だけ読む後ろ姿しか見せられない時もありましたが、)子どもに「勉強しなさい」という親たちが、本を開くことや、文集に一言書く為に鉛筆をもつ姿だけは見せてきました。
南佐久郡がモデルとなった映画「本を読むお母さん」が、文部省推薦で全国に公開され、各地に図書館を作る原動力にもなりました。(図書館の一部または一室に県立からの文庫の本があり、各学校の配本の拠点となりました。)
事務局として支える県立図書館の力で、(親子2代、3代と続き、)今年で63年を迎えました。教育長はこの会について、どのように評価されているのでしょうか。
県立図書館の図書購入費が減となり、県からの配本が減り、各地で図書館が設置されたこともあり、会費を負担してまで県に所属するメリットがあるのかと考える地域もでてきました。
長野県図書館大会では、小・中・高・大の学校図書館部門と公立図書館部門とPTA親子読書推進の会等、3分野で分科会や実践発表を続けてきています。(県を4地区に分けた同一講師による)公開講座やお話フェスティバル、学校や県や市町村の公的企画への参加協力等、縮小しながらも活動を続け、文集も何とか出し続けています。保護者の社会環境も変わり、また、学校の協力体制も変わり、子どもの読書は学校教育課、大人の読書は社会教育課と言われ、PTAは任意団体と言われ、どちらにも入れず、PTA自体のスリム化とともに県立まで役員を送れない地域も出てきました。
お尋ねします。
PTA親子読書推進の会は教育委員会の中ではどこに所管されるのか。これからも図書館でPTA親子読書推進の会への支援を行い、PTAをはじめ大人たちの読書の機会を増やすことが必要と考えるがいかがか。また、これまでの県立図書館での図書購入費、貸し出し率の推移、司書数の推移はどうなっているのでしょうか。教育長に伺います。
孤立化してくる親たちや先生たちが、本を介して子どもたちを中心においていく活動であります。今こそこのような活動が必要だと思います。子ども達の学力が低いのも、学校現場のせいだけではなく、むしろ大人たちの反映ではないかと思います。長野県も大人の読書率は全国最下位に近い。そして、図書の購入費、子ども一人当たりの図書購入費も鳥取などの10分の1にも満たしません。このような形ですので、今こそ逆に図書館の運営または役割はどのようにあるべきか、そして、子どもや親・地域の読書普及についてはどのように考えているのか、伊藤教育長に伺います。
(県立図書館の充実を図る時、図書購入費・貸出率の向上はもちろんですが)ここ20年専門職であるベテランの司書が一人も課長に登用されたことがありません。専門職を役職に就け、運営管理することは士気も高まり、図書館の教育、長野県を網羅する読書活動に関わってくれると考えますが、その点はいかがでしょうか。
3.県民のための人事・組織改編等について
教育委員会では、(校長を同じ学校に4~5年据え置くことを決定しました。)管理職の1校の勤務年数を長くすることを決定しましたが、この改正の意図は何でしょうか。教育長に伺います。
県の部課長級については、どうか伺います。教育委員会でも例えば、義務教育課、高校教育課をはじめ、先ほどの図書館担当の文化財・生涯学習課等部課長の半数以上が1年で交替を繰り返しています。同じ所属部署で平均勤務年数はどのくらいか。また昨年度において1年で異動、退職となった部課長級の職員はどの位いますか。総務部長に伺います。
教育委員会の中を見てみますと、半数以上の部課長さんが1年で交代を繰り返しています。知事にお尋ねします。教育委員会の決定のように、部課長級はもっと落ち着いて責任を持ってやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、今回は教育委員選任の時期でもありますが、教育委員には形骸化されないようにという厳しいご意見もあったり、また、(国の中央審議会の分科会では、教育行政の執行)部署をどこに持っていくか、管轄をどこに持っていくかということも議論されていますが、教育委員についてどのような構成が望ましいのか、教育委員に望むことはどのようなことか、伺います。
教育長に伺います。今回問題のあった学園、小学校1学級15人、中学校20人というこの子ども達も義務教育年齢の長野県の子ども達です。(高校のように公立・私立比率を話し合う場もなく、私学協会の)年に1~2回の審議会を通し、開学ができ、学級人数なども決定できる私立小中学校との均衡をどのように考えるか。また、私立小・中の長期的展望はあるのか。私学協会が一時教育委員会に統合された時代もありましたが、教育長としてはどのようにお考えでしょうか。
また、知事は専門部局を増やす方針ですが、これまで行われてきた組織改革の検証はどのようにされているのか、総務部長に伺います。
衛生部と社会部―それぞれに大きな課題を持つ大きな部―の統廃合は難しいと主張してまいりましたが、今度はその一部。子どもに関わる児童福祉・保育、ひとり親支援部門を「生活文化部」を創設し、子ども・若者担当部長をつくり、大きな課題をもつ児童相談所も移動します。虐待の激増する中、高齢者を主に担当することになる健康福祉部に、障がいを持つ子ども達は残ります。必ずしも家庭再統合を目的とせず、「子どもを第一、チルドレンーファースト」の視点に立ち、大きな施設から小さな家庭的な里親等への委託を推進する国=厚生省の方針を受け、ますます旧社会部との連携―虐待した親への教育や里親への支援―が必要になります。教育委員会との関係も切り離すこともできません。危機管理部と観光部の設置はどうか。当時よりますます課題が深刻化する教育事務所を学校から遠く1ヶ所にまとめました。成果が上がらず、現場に不都合があれば、保健所からそれぞれの合庁に戻すことも考えるべきです。維持課のみを残して佐久合庁から南佐久に統合した佐久建設事務所は災害時混乱も多い。どんな効果が上がっているのか総務部長に伺います。
オリンピックが決まり、玄関口となる浅間山麓佐久地域。馬術、水泳、そして武道。「全国植樹祭」開催への期待も含め、県民益になる機構改革を願って、一切の質問を終わります。