会派日誌

2013/7/25 木曜日6月定例会一般質問

今井正子   6月定例会一般質問        平成25年6月28日

脱原発・護憲・平和主義の今井正子でございます。

1. 網膜色素変性症患者の支援について

「網膜色素変性症」に対する県の現状把握、又支援について、健康福祉部長にお尋ねします。「網膜色素変性症」は、目の中で光を感じる組織である「網膜」が少しずつ侵されていく進行性の疾患で、代表的な例としては、夜になると何も見えない夜盲や見える範囲が狭くなっていく視野狭窄、視力の低下や色覚異常が起こり、失明状態に陥ってしまうケースもある目の難病です。

人生半ばで、重度の視覚障がいを負ってしまう方も多いのですが、現在は必ず有効な治療法が確立され、もう一度「青い空・白い雲・星の輝き」が見れると信じ、2008年8月、研究支援の為「もうまく基金」を設立して頑張っています。「できるだけ外に出る勇気を」と、本日も大勢助け合って来てくれています。日常生活の中の困難もあると思いますが、災害時は大変不安です。そこで、健康福祉部長に障がいのある方々に対し、災害時どのような対応を想定しているのかを伺います。また、集中力や「かん」の強い視覚障がい者と異なり、パニックになるとまったく方向感覚がなくなってしまう「網膜色素変性症」の方に対し、特段の配慮はされているのでしょうか、お伺いします。

外見は目に障がいがあることが分からない方が多いので、共通の笛を持ち、災害時助けを求め、それを鳴らし続けたいという声もあります。知事、実現に向けてよろしくお願い申し上げます。

2. TPPの対応と農業県長野の展望について

続いて、農業立県長野のトップである知事にTPPの対応についてお尋ねします。農業を維持する為、今危険と思われるTPPが農業分野に及ぼす影響額試算は、当然県農政部でもしてあることと県民は思っておりますが、発表は「35億+α」でした。かたや農協では、(鈴木東大教授とJC総合研究所員名で)長野県の農業水産業の生産減少額は1,029億円程度、全産業に波及すると約1,884億円ということで、先日、農政部長は、国が交渉中の重要品目は除き、また農協の試算については、計算方法も分からないのでコメントしようがないとの事でしたが、TPP参加に反対・賛成ではなく、データをしっかりと公開し、県民の皆様に正しく判断していただくべきと思われます。情報公開、また情報発信を積極的にと、言われる知事の方針はいかがでしょうか。(TPPというと農政部ではなく、企画部が担当だと知事部局に言われましたので、)全分野を網羅している企画部長に、現在どのような影響があると考えているのかお尋ねします。(国の方針が決まったらでは、真剣に農業に汗水流している人に申し訳が立ちません。)また農協とは、県農政部はまったくつながりがない訳ではなく、技術職員も派遣し、5名の農協検査員もいます。JAで不祥事も続きましたが、年間どのくらいの農協に対し検査を行い、どのような指摘をされているのでしょうか。農政部長に伺います。

続いて、農林業被害が大きいシカについて、現状の捕獲状況、また処理方法を林務部長に伺います。大量に埋めると生態系がこわれるという問題もあります。ジビエとして振興もしていますが、ほんの一部であり、食肉等の流通、検査体制が整わないと消費は拡大しません。(目標値に達し、捕獲量が増えれば県も力を入れ、シカ肉のペットフード化、角や皮についても活用を図っていく等、県はもう少し力を入れることは出来ないでしょうか。

3. 信州教育の推進について

信州教育の推進について、お尋ねします。県立大学の4年制化もようやく決定しました。また昨日の英語教育の議論も踏まえ、我々英語教員が30~40年間ずっとインターナショナル、グローバルと試行錯誤してきたものがまた1つ試されようとしています。(軽井沢にもアジアの人々を中心に、世界に羽ばたく子ども達を養成する中等学校インターナショナル・スクールが始まります。)

自らも英語合宿をしたり、短期留学したり、また大勢の教え子を海外に送りました。(わが子も自分の時代には出来なかった単なる留学ではなく難しいといわれるアメリカで大学を卒業しました。)

感じたことは、世界でずっと活躍するならよいが、日本に帰った場合、その経験を生かせる受け入れがないということです。日本は資格の社会で、理想は高いが現実は、日本の英語教育はじめ、他の教育を受けなかったその4~5年間のハンディは大きく、県内なら大学の教員以外は日本のシステムの会社や行政等での正規の仕事に就けず、起業興しに苦心している生徒たちをたくさん見ます。

老婆心ながら、毎年グローバル、インターナショナルな経営学マネジメント学部に160名は大変多く、以前に申し上げた、県内にない「薬学部設置」。それが無理なら、半数は今必要な家庭経営、家政経営マネジメントとでもし、資格のたくさん取れる分野も残されれば理想であると思います。

さて、文科省から伝統ある教育県長野の最高責任者に就かれた伊藤教育長に、この3ヶ月間、県内の学校現場にどの位足を運び、教員や学校現場に対し、どのような感想を持たれたのか、率直にご自身の思いを語っていただきたいと思います。また、信州にはまじめで熱心な子どもや先生が多い事は自慢ですが、文科省のやられている教育体制の現状、以下5点の検証についてお尋ねします。

①      諸外国は1学級20~25人となっている中、変わらぬ文科省の1学級40人定員。県内では30人規模学級という名の下に、実際は35人基準の学級定員。

②      臨時的職員・講師が非常に多い状況。

③      教師の持ち帰り等超過勤務が80時間から90時間を越す現状。

④      文科省が推し進めた週5日制の現状。

⑤      OECDで見ても、教育予算が他国とも比較し非常に少ないこと。かつて教育県長野といわれた時代は教育予算は、県予算の3割超という状態でしたが、今は2割でございます。この5点について、お答えいただきたいと思います。

期待され就任された教育長には「(教員の資質向上)・教育制度のあり方検討会議提言」を受け、まずどこを重点的に改革していくおつもりですか。また、2番目に教員定数については、国に対して要望を行ったとありますが、感触はどうでしたか。また退職され、再任用となるベテランの先生をその学校の教員定数1と数える仕方を変えることは出来ないでしょうか。(ベビーブームの年代が多く続く為もあってか、)新規の教員が採用されにくい現実があります。

教育委員長に、6月13日1:30からの教育委員会の定例会を傍聴させていただきました。(行動計画つまりたたき台は、議題ではなくその他として扱われており、)委員からの意見も少なく、6月末までに意見を事務局に出してくださいということで、3時前には終了しました。毎日傍聴していた高校改革の頃を思い、びっくりしました。4日後に控えたフォローアップ委員会へ教育委員会でたくさんの議論を出すべきだったと思いましたが、教育委員長いかがですか。

先日の信毎に、「現状では、情報が事務局が一元的に把握し、定例会で一部の情報しか伝えられるのみで、教育長と県教委事務方の力が圧倒的になり、教育委員は会議して結論を追認するだけになっていないか」と。教育委員が事務局と同じ情報が把握できるよう、環境づくりが不可欠であると新聞に載っておりましたが、教育委員長のご所見を伺います。

私が教育委員となり、長野県の教育再生に命を賭けるなら、フォローアップ委員会や様々な検討委員会や審議会に任せるのではなく、教育委員会で同様の審議をするか、または時間が許す限り、事務局報告ではなく自分ですべて傍聴するといった教育関係者もおりました。本来教育委員とはそのくらい期待される重席だと思います。

4. 児童虐待の防止と児童相談所の体制強化について

(立科町の女神湖を思わせる美しい白樺の表紙の健康長寿世界一を目指した「信州健康医療総合計画」は、7分野を網羅した他県に誇れるものです。第4編「健康づくり」、第8節「すこやか親子21」では、子どもが育つ―地域がつながる子育て支援―を唱え、最終ページは「児童虐待の予防に向けて」要保護児童等(要支援児童や妊婦を含む)の早期発見等で結ばれていました。)平成21年から妊婦も対象となり、児童虐待の件数も500人台から、H23-760人、昨年は1,000人を越えました。要保護児童対策地域協議会に参加する児童相談所の業務も多様化、増大化し、課題も多いことと思います。虐待かどうか母子分離か、里親か施設か母子統合か、すべて所長に判断と責任がかかります。児童福祉司や児童心理士の数も全国平均以下で、ベビーブーム時代のお母さんのようなベテランケースワーカーは一気に減りました。小林議員から一時保護児童の為、教員の交流人事を求めましたが、私からは保健師の必要性を訴えます。児童相談所の現状課題、体制強化をどのように考えているのか、保健福祉部長に伺います。知事にはせめて、全国平均並みにケースワーカや心理士の増員、教員交流、そして、8割を超える母子の相談しやすく、また子どもの成長の立場にも立てる保健師の配置を早急にお願いして、一切の質問を終わります。

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