会派日誌

2010/12/2 木曜日一般質問

 昨日の今井議員の一般質問と、本日の小林議員の一般質問を全文載せます。浅川ダムについての、今井議員の「建設を危惧する県民」を代表する質問に注目。

今井議員  11月定例会一般質問          平成22年12月1日
 まず来年度予算編成に重点を置いていただきたい4点につきまして、ご質問申し上げます。

1) 望月警察署跡に設置予定の、東信運転免許サブセンターの開設に向けて、現在の進捗状況と今後の見通しはどのようになっているのか。警察本部長にお尋ねいたします。

2) 次に地域医療再生支援につきまして、国への働きかけ及び県の取り組み状況について、健康福祉部長にお尋ねいたします。国の医療に対する補助制度の削減等で、どの病院も苦しいことと思います。9月議会でも出ておりましたが、国への強い働きかけはどうなっておりますでしょうか。また、県会でも幾度か議論させていただきました佐久総合病院の再構築につきましては、県のご指導もあり移転改築の運びとなりましたが、何年もかかっている間に国の予算の大幅削減が進み、大きな状況の変化が出てまいりました。 
佐久地域および東信地域の中核病院でもあり、県下唯一のドクターヘリを擁す、救急病院としての役割を鑑み、県としても地域とは申しましても、県立病院のない東信地域を長年支えた核(コア)であります。
地域医療再生計画の策定を進め、臨時特例交付金等の活用による支援も考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

最後まで存続をという町議会や町民が多い中、この4月から望月署はすべての課がなくなり、40人を越える職員から、警察官7名の大型交番となりました。
廃止に変わる運転免許サブセンターですので、早期実現のために予算化をよろしくお願いいたします。

3) 次に鳥獣被害対策について対策室を持つ林務部長にお尋ねいたします。田んぼでも畑でも山でも植えつけた苗でも高山植物でも最後の収穫時でもかまわず、シカやイノシシ、熊、猿、ハクビシン等が食べ荒らすーー生物多様性的に言うと、山の放置から田畑の放置による人間活動の縮小による第2の危機という事になります。
 減反の為の青田刈りをする時の切なさと違い、怒りとガッカリで、いたちごっこを繰り返すうちにあきらめて耕作を止めたという声も聞きます。特にシカの数や被害のすごさは問題となっていますが、県の被害状況とその対策について伺います。
狩猟による固体調節、防御柵、それから山の手入れ、針葉樹や広葉樹の混交林植樹など、林務部としての具体的取り組みはどうなっているのか。林務部長に伺います。また、生物多様性長野県戦略策定委員会を持ち、なぜ野生動物が増えるのか、個々の動物による影響や捕獲・防除など問題点や対応についてどのように取り組んでいくのか、環境部長にお尋ねします。
ハンターが減る中、シカも仮に捕らえたとしても、さらに処理が大変ということもありまして。佐久には広域の屠場もありますので、ジビエだけではなくドックフードとかの処理方法などの改善が必要ではないかと思います。

4) 信州の川を守る取り組みについて、農政部長・建設部長にお尋ねします。
先月65年ぶりに上小管内のヤナ場で産卵後死んだと思われるメスの鮭が見つかりました。長野県水辺環境保全研究会の一員として20数年、ここ数年新潟水辺の会と長野県側で稚魚放流を続けていた者としては、本当にうれしい限りでした。
3年程前から、集中豪雨等による長野県の千曲川の汚濁に苦しみ、アユを中心とする漁業組合の死活問題となっていることを知り、その原因・対策、また常に川を観察し、澄んだ水を守っている漁業に対する振興策、支援策をと、取り組んでいる時でしたので、組合の皆にも光が見えたようでした。サケやアユの帰ってくる川、また魚の住める川づくりに早急に取り組むべきと思いますが、その意欲を農政部長にお聞かせいただきたいと思います。
昭和55年からの年間45万から50万尾の稚魚放流を続けた県の「カムバックサーモン事業」が平成11年に終結しました。その報告書には「恒常的な河川水量の増加がないとサケの安定的な溯上は期待できないことが明らかになった」とあり、一昨年のJRの不正取水による宮中ダムの水利権剥奪により、水枯れの信濃川に水が帰ってきたこともサケの溯上の大きな要素となったことと思います。
しかし、新潟県境まで、水・魚が来ても県境の西大滝ダムがネックとなります。本年はその西大滝ダムの30年ぶりの東京電力との水利権更新となります。どのような意見を付記して交渉されるのか、建設部長にお尋ねします。

漁業組合毎の放流稚魚数も県との取り決めによるものであり、40トンから100トンになりましたので、西大滝ダムの水量確保も同量を望むなど東京電力に伝えてほしいと思います。
信州の貴重な財産である水と緑を守るよう強力で具体的な施策と予算化を。以上、信州の農林業また漁業振興のための鳥獣被害対策、川を守る取り組みに集中した予算化お願いいたしまして、浅川ダム問題に移ります。

5) まず、検証について、今回の作業チームの構成や論点確認を副知事判断でされたとの事でありますので、副知事に浅川ダムに対する取り組み状況について、お尋ねします。
1点、 今回の作業経過、内容等の報告はその都度、知事に行ってきたのか。
2点、 今回基本高水算出の流出解析で検証した4洪水とは何か。流出解析に用いられた飽和雨量の決定に行われた4洪水のうち、計画対象として用いた10洪水に含まれているのは、昭和56年8月の洪水のみでした。それも、ピーク時の流量は欠測となっています。水位観測はじめ昭和48年以降の洪水ゼロから10洪水中、昭和56年8月を除き5洪水あるのに、なぜ4洪水が選ばれたのでしょうか。
3点、 流域面積が第2回浅川解析まで68平方キロメートルだったものを、第3回浅川解析には73平方キロメートルと5平方キロメートル増えているにもかかわらず、20数年にわたり、基本高水450トンがまったく変わらないということはどういうことでしょうか。
4点、 昭和46年、数多くのダムの話が持ち上がり、他のダムは計画通りできた中で、浅川ダムが進まなかった原因はどこにあるとお思いですか。(その間ずっと県職員としてみてきた副知事はどのように理解しているのか。)以上4点お願いします。

  副知事に再度お尋ねします。第2回目の浅川解析と3回目の解析に対象としてあげた13洪水の中に入っていなかった3洪水は上げているのはどういうことですか。それから、昭和46年にスタートした浅川ダムが、造ろうと思えば吉村知事時代にバブルの景気時代にいくらでも造れたはずですが、その時になぜ造らなかったのか、できなかったのか。

  今までに解析に使っていないような洪水を使うので、「データーを改ざんでは」といろいろ疑いが持たれるわけです。今回の手法は、知事選に向けた西松建設等からの献金疑惑とか、元秘書複数の方の尊い命がなくなるというようなことはありませんでしたが、脱ダムからダム建設に切り替えた村井知事のパターンに乗り、さらにそれに上塗りをしてしまった結果となったことは、  残念この上ないことであります。安全度についてはダム推進派と思われる学者2名で、危険と言い続けた学者の意見は書いてありませんでした。この報告を受け、知事が判断する間、議会や県民に公開し、特に地元の方々に説明をし、ご意見を伺うなどしても良かったのではないかと思います。報告を受け、「そうかやっぱり欠点はないか」では、知事の継続をするための説明責任で、担保・手形づくりを行っただけになってしまうと思うのです。知事にお尋ねいたします。

1. 今回の検証についての報告はいつ受けたのか。報告について、どのような質疑が交わされ、継続の判断をされたのか。県庁内作業チームニヨル「ダムの必要性と安全性」「基本高水の妥当性」といった根本的・重大問題に関して、公平・客観的・専門的判断が下せるとお思いですか。知事は学識者が名前まで出して安全といっているので、信頼できるとおっしゃいましたが、参考資料を見ますと、ダムの安全性について脇坂氏はたった1時間半、川上氏に至っては55分間、富所先生に至っては11月25日当日の1時間だけの質疑応答でありました。
2. 浅川ダム建設について、反対していた6割を超える県民に対し、知事は今後どのような説明をしていくでしょうか。
3. 最後に、住民の生命にかかわる浅川ダム建設地は、「危険な地すべり地帯である」との心配の声が多い中、まったく安全だと言い切れるのでしょうか。知事は「試験湛水で最終確認する」とのことでしたが、参考資料(3-1-1-5)の脇坂氏も、ダム軸が2転3転したことは、浅川ダムの地質が悪いからということは否定はできない。浅川ダムの地質は良いほうではない。しかし、計画上ダムが必要となれば、地質上の問題を克服して造らねばならないと、言っていますが、技術的不安はまったくないのか。本当に大丈夫なのでしょうか。知事にお尋ねいたします。

4.生命・財産に関わるからこそ知事の思いで判断すべきことだったと思います。民主党の国交大臣ですら、八ツ場ダムで飽和雨量の点で「基本高水流量」の見直しに関して言及しているにも拘らず、現在の浅川の基本高水流量が過大な数値であるか否かを検証せずして、「基本高水流量を引き下げることは、安全度を下げることと同義」と結論付けている報告書は、何ら検証していないのと同じではないかと思います。
5. そもそも多くの問題があったので議論がされてきたわけですから、問題点が見つからなかったと2ヶ月足らずで簡単に結論を出してしまったのはどういうことなのでしょうか。この2点についてお尋ねします。
 
  「少なくとも基地は県外へ」と本気で言った首相の期待した沖縄県民はじめ我々国民は、地祇の何も語らない首相には更に不安を感じています。
  阿部知事には、オレンジ隊はじめどういう思いの県民が知事に期待をし、当選するところまで至ったのか。おそらくこの議場には、講演会まで引き出して本気で支持した人は数人であり、ほとんどが一般県民・草の根の人です。どうしても前県政の「継続」はいやだと、言う声に出せず心で叫んでいた人の思いを受け、なぜ長野県知事になりたかったのか、原点に戻っていただきたいと思います。「継続は勇気ではありません。」
がんばっていただきたいと。県民のためがんばっていただきたいと申しまし上げまして、ダムについての質問は終わらせていただきます。
今回のこのダムの結論につきまして、大変な電話またはメール等が来ています。やはり、このダムの思いにつきましては、「阿部知事なら」という思いが多くの県民の皆様の中にあったようです。そのようなメールがたくさん来ています。どうか、いつも弱い者の目線に立つ、県民の目線に立つ知事の行政を。
これから、教育再生もありますけれども、「長いものに巻かれない」、「屈せず・怯まず」、その言われたとおりの県政運営を行っていただきたいと思います。応援していた県職のOBから「重大な決断というのは、継続のことではない。今井さん、重大な決断というのは継続のことではない」とおっしゃいました。知事、色々なお思いがあると思いますが、県民のためにしっかりとがんばっていただきたいと思います。終わります。

小林議員 11月定例会一般質問          平成22年12月2日

1. 予算編成過程等の情報公開について
 
 知事の基本政策集「信州底力全開宣言」には、政策を進める上での基本姿勢の1つに県民の皆様との情報共有化を掲げ、「『県民主権』を実現するには、その前提として県民の皆様と行政のもつ情報を等しくする必要があります。そのために情報公開を徹底し、県政の透明度を高め、身近でわかりやすい県政運営に努めます」と、県民に約束しておられます。裏返せば、税がいかに暮らしに直結する部分に有効に使われているかを明らかにし、県民の意思を税の使い方に反映してほしいという期待で知事を選んだのです。その意味で、来年度の当初予算がどのように編成をされるのか、そこには県民の意思がどのように反映されていくのか、注目が集まっています。
 予算の編成過程をオープンにし、要求や査定の段階からタイムリーに県民にお知らせすると共に意見を求めていく、結果のみならず過程に重きをおくことが情報の共有化というものでありましょう。

 本県では、02年度当初予算から要求概要と主な見通し案が、編成過程は06年度当初予算から県民意見の反映、県民への説明を目的として公表、07年度当初予算からは財政課長、総務部長段階の査定経過も付け加えられましたが、各段階毎にではなく一括での公開となっています。
 10月25日付の来年度当初予算編成方針の中で、県民、市町村等の意見の反映と説明責任の遂行については、「予算編成に関する情報を適時、県民や市町村、関係団体等と共有し、その要望や意見を予算に反映させると共に、編成過程を明らかにするなど、より分かりやすい広報に努め、説明責任をはたす」としています。
 前年度の方針に「適時」、「より分かりやすい広報に努め」の文言が加えられ、予算編成過程の公表の更なる改善を図ろうとする知事の意思が感じられるのですが、改善の必要性について、知事の所見を伺います。
 私は先月、全事業を、予算要求書をそのまま、査定理由も含めて5段階でタイムリーに、全ての予算編成過程の公開を行っている鳥取県を視察してまいりました。まず、常に県民に公開することを前提に要求書が作られる、財政課長段階で、予算化を認める「課長計上」、総務部長段階での判断を求める「保留」、予算化の必要なしとする「ゼロ査定」に仕分けられる、「保留」「ゼロ査定」となったものに「追加」を加えて次の総務部長段階へ。こうした流れが全て公表され、削られるもの、復活するものが克明に見える仕組みになっています。もちろん、県民の声が予算要求、査定に反映されると共に、要求・査定の双方の県民への説明責任が強く求められています。県民との情報共有化の方策の1つがここに示されていると思うのですが、知事は鳥取県が行っている予算編成過程の全面公開をどのように評価されていますか。
 また、この仕組みでは、ペーパーレスを実現することで環境への配慮がされており、このことは知事の議会での答弁がきっかけとなって始められています。知事の決断によって、情報公開と環境政策が同時進行したことへの知事の見解を伺います。併せて、本県でも同様のシステムを導入すると仮定して、電算システムの大規模改修にかかる経費とペーパーレス実現による経費削減との差額はどの程度と概算されるかについても伺います。

 鳥取県では、この外にも各予算編成の知事段階で議会各会派の予算要望を聞くと共に、主要な事業についての議論がされる「政調政審」を行って公開。また、県民に周知し利用を促進するため、県が予算計上している全ての補助事業の一覧をホームページで公開し、さらには知事が議会で約束した事項の進捗状況についても公開しています。これらは特に予算をかけずに実行できることであり、県民との情報共有化を図る上で有効と思われますが、実行される意思はおありか知事にお聞きます。

2. 農業政策について

 政府はおととい、農業改革を検討する「食と農林漁業の再生推進本部」と、その諮問機関「食と農林漁業の再生実現会議」の初会合を開き、実現会議では、「個別所得保障制度のあり方」など5つの検討項目が示され、改革に向けての本格的な議論が始まったと報道されております。実現会議の初会合で、菅首相は、「農業の再生と経済の自由化を両輪として、日本を元気な国にもう一度前進させたい」と、農業と貿易自由化の両立に強い意欲を示したと伝えられておりますが、農林省はTPP参加で農業生産額は4.5兆円の減、食料自給率も14パーセントまで落ち込むと試算。食料の安全保障のための自給率の向上と自由貿易の推進が、果たして両立するのか至難というべきです。加えて農業を主な収入源としている人は過去30年間で3分の1に減り、約260万人。このうちの160万人が65歳以上の高齢者であり、しかも今後、年間10万人超が離農するとも予想されており、人材不足も農業の先行きに影を落としています。
 そこで、本県農業のあるべき姿をどうとらえ、どう導いていかれるのか。以下5点について、農政部長に伺います。
1つ、食料自給率の向上にはコメの消費拡大など「地産地消」の推進が欠かせません。コメの年間消費量が60キログラム程度に低迷、これはアフリカの小国セネガルの73.8キログラム、コートジボワールの61キログラムと肩を並べる程になっているのですが、このような状況下にあって、北海道産米食率80%を目指す北海道の取り組み、一例をあげれば「道産米食率がおかげさまで、75%に達しました。80%にするためにもう一杯道産米を食べてください」と呼びかけるCMを放送するといった、分かり易い「地産地消」キャンペーンが必要ではありませんか。
2つ、地産地消推進に学校給食の果たす役割は、子どもの味覚の発達や食文化への理解といった様々な意味あいから大きいものと言えます。地域の食材をでき得る限り取り入れていってほしいと思うのですが、給食費とのバランスも考えなければなりません。味覚を育て健康な体をつくるという観点から県の支援を拡大するべきではありませんか。
3つ、これからの農業を支え、規模拡大を図ろうとする意欲ある若者に対し、農地の集約や農業機械の購入修理に対する支援を拡大するべきではありませんか。
4つ、農地が環境を保全してきた役割については、これまで省みられることは極めてまれで評価が抜け落ちていると言わなければればなりません。生物の多様性の維持や水田の持つ洪水調節機能に着目した環境直接支払いのモデル事業を市町村との連携により実現すべきではありませんか。
5つ、温暖化による気候変動によって、世界の水需要は逼迫、農業生産に利用できる水は限られ、多収品種と農薬、化学肥料、農業用水をふんだんに使う生産方法は行き詰まるといわれております。食料を輸入することは水を輸入することと同じであり、わが国が安定的に食料を確保する最善の道は米の消費拡大以外に考えられません。このことについての所見を伺います。また、国に対してはどのように働きかけられるのか伺います。

3. 学力向上について

 (全国学力・学習状況調査の結果が、07年度からずっと下降傾向にあること。特に同一傾向問題において、本年度受験した中3の正答率が4年前の小6時での正答率より落ち込み、学力が定着していないことが明確になった。学力上位の層が薄い、知識を「活用」する力に課題があるとし、学力向上に向けての施策の方向性が県教委より示されたところです。)
 まず、教育委員長に、学力向上の取り組みが目指す人づくりの最終目標はどこにあるのか伺います。

 (知・徳・体が調和し、)社会的に自立した人間の育成が目標ということです。そのために向上させなければならない学力とは、基本的な知識・技能を持ち、それを活用して課題を解決するための思考力・判断力・表現力等を磨き、主体的に学習に取り組む態度を身に付けることである。
それならば、学力の向上には授業の改善が欠かせないのではありませんか。また、一人一人の児童生徒への丁寧な対応も求められるはずです。教員の多忙な業務実態の改善をどのように実現し、専門家としての成長を保障していかれるのか教育長に伺います。

再質問
 学力向上、特に基本的な知識・技能の獲得には、学力の底上げという視点が欠かせません。発達障碍をかかえる子供や理解不足の子供をどうカバーされるのでしょうか。

 次に、学校カリキュラムは直線的で付加逆的で均質で、一方向的な流れで構成されており、その中に循環的な要素を取り込むことは、イメージとしてひたすらまっすぐに進むのではなく、大小の輪を描きながら進むということであり、教員相互の交流や学び合いが必要と考えます。そのためには県教委が掲げられている施策では不足なのではないかと思われます。情報の提供だけでは足りないのではないでしょうか。以上教育長に伺います。

 社会的に自立した人間、探究心を持ち、感性、知性、情熱がある大人に子供を育てていかなければ、これからの困難な時代を切り拓いていくことはできません。子どもの育ちに教師は大きな影響力を持っています。では、教師はどこで育つのでしょうか。学校で育つというのがまっとうな答えでしょう。日本の教師は教科書の内容を教えることはできても、その実質的な内容である学問や科学を教える教養を欠いているとの指摘もあります。学力向上の取り組みを契機に授業のあり方を変え、学びあう場としての学校を実現すべきと思いますが教育委員長の所見を伺います。

再質問
 学校を学びあいの場から遠ざける要因として、佐藤学東大大学院教授は本県の高い講師比率を指摘しています。学校にあって正規、非正規の2つの身分があり、10%を越える小中学校の先生が教員採用試験の準備や生活に追われており、専門家としての育ちを期待するのは酷というもの。学びあいの学校づくりを進めるためには、講師比率を段階的に引き下げることも必要と思いますが、教育長にお聞きします。

最後に、学校現場や保護者の最大の要望は、中学校における30人規模学級の実現であります。来年度は、導入に向けて絶好の時期であり、県民の期待も高まっています。9月県議会で、阿部知事は、教育委員会の考えを聞いて検討したいと答弁されていますが、」教育委員会では、現在、どのような検討を進めているのか、教育長にお聞きします。

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