6月4日(月)縲怩V日(木)にかけて長野県議会日韓親善議員連盟が訪韓することになり、トライアル信州からは今井議員が参加しました。
本日は、内山卓郎氏のご案内で、島田議員と小林議員が関係者の方々と共に、千曲川水系と浅川ダム建設予定地の現地視察に出かけました。現地を視察し理解を深めました。
昨日、長野県前知事の田中康夫氏(新党日本代表)は、「長野革命を日本へ」をスローガンの一つに掲げ、「地域から日本を変える」と参院比例選への出馬を表明されました。
本日は、軽井沢から上田、長野、松本の各市で街頭演説を行い、久しぶりに長野駅前で決意をお聞きしました。
長野県での実績をふまえ、国レベルでも「増税なき財政再建」を進めるとアピールする姿勢を示されました。
本日は、日本共産党長野県議団・トライアル信州・あおぞら・日本共産党長野市議団の主催で、浅川ダム問題に関する県民集会を開催しました。主に共産党県議団でいろいろと立案してくださり、午前中は現地視察、午後は過日共産党県議団の皆様の視察報告と、奥西一夫京都大学名誉教授の特別報告がなされました。大変参加者が多く、盛会裏にできました。
以下は当日参加した小林議員の参加報告です。
6/2 浅川ダムはいらない県民集会
朝9時ダムサイト予定地の展望台に集合。県内各地より約150人が現地視察に参加した。
1 浅川左岸ダムサイト予定地の展望台にて
地すべり防止地域の間隙を縫うようにしてダムサイト予定地が選定されている。しかも湛水域内に一ノ瀬地すべり防止区域が重なっており、治水のため水を貯めると同時に集水井4基、水抜きパイプ延長6000mを設置し地下水位を下げる地すべり対策を行っている矛盾もあり、安全性を軽視した計画であることは間違いない。現在も真光寺ループ橋のすぐ下の浅川右岸で地すべり対策工事が進行中。県は従前のダム計画より貯水量が減ったので、地すべり対策費は当初の36億円より減らせると説明しているが、本来地すべり地域にダムを作ること自体が間違いだ。
さらに、ダムサイト左岸の真上にあるF竏窒X断層、ダム敷直下を横断するF竏窒u断層の存在が専門家によって確認されており、1847年の善光寺地震の震央もここから北北東約1.5?の至近距離にあると推測されていて、地質的にも大きな疑問がある。200億円かけて作られた付け替え道路(ダム本体よりもはるかに先行して作られたことの不思議)のループ橋の橋脚が地形改変を慎重に避けながら建設されていることからも地質の悪さを裏づけている。
2 稲田の大規模な河川改修地(めがね橋)
整備済み区間の最上流部。改修前の浅川は長野電鉄線に沿って流れておりコンクリート三面張りの河床の下を信越線が交差するという極めつけの天井川状態であった。河道を変更し河床を11m下げる改修工事によって安全がもたらされるようになった。改修後左岸の稲田地区で土地開発が進み、現在では川端近くまで住宅が立ち並んでいる。「洪水が恐ろしくて夜も寝られない」といわれた天井川区間の改修は平成17年度に完了。この信越線との交差区間は工事完了後も改修記念公園として残されている。
3 長沼新幹線車両基地
浅川の内水氾濫による洪水多発地帯のまっただ中に新幹線車両基地はある。古里の住宅地過ぎると車両基地の北端まで、浅川は平坦な農耕地の中を静かに流れている。大雨が降り千曲川が増水すると、水門が閉鎖され行き場のなくなった水が堤防を越えて、車両基地周辺は遊水地と化す。したがって、浅川の内水対策に求められているのは、ダムによる上流での流量カットではなく、千曲川の治水対策である。
なお、車両基地地下には浸水防止のための貯水タンクが設置されている。
4 浅川排水機場
千曲川堤防に設けられた2つの水門の脇に浅川排水機場がある。千曲川の増水に伴い浅川に千曲川の水が逆流するのを防ぐため水門が閉じられると、内水氾濫防止のため浅川の水を千曲川に強制排水する。現在排水機は2基で44㎥/sの排水能力がある。県が示した整備計画原案によれば、内水対策として排水機能力を70㎥/sに増強するとしている。しかし、いくら能力の高い排水機を整備しても、千曲川が警戒水位に達すれば排水機は止めざるを得ず、根本的な内水対策にはならない。実際、昭和58年9月の水害では6時間にわたってポンプは止められ、平成18年7月の水害でも警戒水位まであと7?まで水が迫っている。
千曲川の川幅は浅川合流点で約1000mであるが、ここからわずか下ると立ヶ花の狭窄部に到り川幅は250mと1/4になる。増水時には立ヶ花より上流部が天然のダム湖状態となるため、内水氾濫に苦しめられてきたのは浅川流域に限ったことではない。千曲川の改修こそが根本的な内水対策となるのだが、千曲川の下流にはまだ無堤地区もある。無堤地区の解消から河川改修を進めていくのが順序となるだろう。
午後1時30分より長野市民会館集会室において、報告集会が参加者約200人を集め行われた。
1 益田川穴あきダム視察報告
堤高、堤頂長ともに浅川ダムと同程度のダムなのだが、堤体積は浅川ダムの1/2でしかなく、したがって本体建設費も1/2である。にもかかわらず有効貯水量は浅川ダムの約6倍であり、浅川ダムが費用対効果の点でも問題があることを示している。また、益田川には地すべり地も活断層もなく、浅川ダムと同列に論じるわけには行かない。
2 大滝ダム視察報告
昭和34年の伊勢湾台風による被害を発端として紀ノ川上流100?の位置に建設された多目的ダム(治水、利水、発電)。昭和37年実施計画調査が開始され、昭和63年にダム本体工事に着手、平成14年ダム本体のコンクリート打設が完了した。翌年3月より試験湛水を開始したが、半分ほど湛水した4月に4?上流の白屋地区で亀裂現象が発生。その後湛水を中止して水を抜き地すべり対策工事が行われるも、白屋地区全37戸77人は永住移転を余儀なくされた。また、大滝地区、迫地区においても地すべり対策を講じている。
本体工事3480億円に地すべり対策費用400億円を合わせ約4000億円の税金を投入したのだが、水を貯められず異様な姿をさらし続けている。地すべり地帯にダムを作ったおろかさの象徴。浅川ダムも貯水域内に地すべり地をかかえ、規模の差こそあれ大滝ダムとの類似点は多い。
3 「大滝ダムと浅川ダム」 奥西 一夫 京都大学名誉教授
昭和38年湛水地域地質調査、昭和45年大滝ダム湛水地域地質調査委員会によって浅→深へと調査が進み、地すべりに発生が懸念されていたにもかかわらず、平成12年すべり面はないとの最終報告がなされた。結局なんらの対策もなされずダムは完成、湛水試験によって地すべりが発生した。国交省は地すべりの発生を予知していたかのような迅速な対応を見せている。何もしなかったことのつけはあまりにも大きい。