本日、前知事の「あまたの水源を擁する長野県には、できうる限りコンクリートのダムを造るべきではない」との「脱ダム宣言」から脱し、「穴あきダム」建設を表明する知事会県があるとの事で、早速会見場へ行ってみました。
会見場は、報道陣と一般の県民の方々でいっぱいでした。
冒頭村井知事は、『「減災」による安全な長野県を目指して縲恷ゥ然と調和した「減災」対策縲怐xとしてまとめられた配布資料をもとに、前県政が県営ダム計画を中止した浅川(長野市竏衷纃h芟S小布施町)について、下部に穴の開いた構造の「穴あきダム」を建設する新たな治水対策案を発表されました。
計画する穴あきダムは、本体下部に約1メートル四方の穴を設け、通常は川の流れをせき止めない構造。洪水時の貯水容量は110万トン。旧ダム建設時と同じ治水水準を確保するとの事。
専門的な分野は土木部長から説明があり、質問に応えられました。
「事業費はいくらかかるのか?」の質問に対し、本体事業費はおよそ100億円との事。本体事業費だけは公表されましたが、付随する事業費は概算もまだ説明はありませんでした。3月末までに治水事業実施の前提となる河川整備計画の原案を策定し、今秋をめどに国の認可を得て、2008年度の事業着手を目指す方針とのこと。
村井知事は、田中前知事が打ち出した「脱ダム」宣言について「代替案を示すと言っていながら、現実には何もできなかった」と何度も批判し、流域住民の安全や経済性、環境への影響などを総合的に勘案し、自然と調和する最善の治水対策として、穴あきダムと河川改修を組み合わせるのが最も望ましいと判断したとの事でした。
会見場で知事会見を聴いていたUさんは、昨年12月、村井知事をダム予定地周辺の地滑り災害発生地などに案内した方で、「地滑りでダム自体が崩壊する危険性があり、地質や断層を確認するのが先だ」「洪水への効果はこのダムにはない。100億、200億もの税金を費やすのは無駄遣いだ」と県の方針を批判。又、 反対派住民などでつくる「浅川・千曲川等治水対策会議」の会長も、「(時代を)逆戻りさせてしまったという印象で、深い怒りを覚える」と憤慨しておられました。
「穴あきダム」と河川改修を組み合わせた治水案は、北陸新幹線長野以北の用地買収を抱え、建設を強く望んでいた長野市や下流域の住民の意向に沿う形となりました。今後多額の税金が投入されるダムの建設は、反対派の住民を始め県民に「なぜダムが必要なのか。」をできる限り説明していく責任が県にはあると思います。
各社の記者さんからも、結論に至った経緯の透明性や金額の比較等出来うる限り公表して欲しい旨要望する発言が相次いで発せられました。
近来、他県で何度も汚職の舞台にもなったダム工事です。長野県では不祥事等決してないようにと願います。
県の浅川河川整備計画方針の発表資料は以下の通りです。
浅川河川整備計画の方針
■ 外水対策の方針
「治水専用ダム (いわゆる穴あきダム)」と「河川改修」により、
治水安全度1/100、基本高水流量450m3/sに対応することとし、
これを河川整備計画に位置付けて実施していきます。
■ 内水対策の方針
昭和58年9月降雨と同規模の洪水に対して床上浸水被害を防止することを目標に、
当面、浅川排水機場の増強を河川整備計画に位置付けて実施していきます。
■ ため池の治水利用に関して
流域対策として、大池・猫又池を管理する土地改良区の皆さんと相談をしながら、
洪水時に河川管理者である長野県が2つのため池の容量の一部を利用し、
流出抑制を実施していきます。
島田代表は、環境や県民の暮らしを考えれば、県費を費やすところはほかにある。次世代に負荷をかけず、地球保全のためにも自然と共生していく姿勢に立ち返るべき。との見解を述べていました。
村井県政となり初めての「平成19年度一般会計当初予算案」が決まり、11時から知事会見が行なわれ公表されました。
総額は8462億円で、前年度当初比212億円の増(2・6%)。01年度以来、6年ぶりに前年度を上回る予算案となりましたが、これは言い換えれば田中前知事の下で、県債(借金)削減が最優先された「田中県政6年間の財政健全化政策の成果」ともいえると思います。
村井知事は県債発行額を24・4%増やし基盤整備に充てるなどの積極予算への路線転換を鮮明にされました。しかし、こうした予算案ができたのは、村井知事も「前知事の給与引き下げなどで県財政がスリムな体質になった」と認められるように、5年間徹底的に経費削減を行なったからこそ出来た予算組みであると一県民の私には感じられました。
県債残高1兆五千億円。全国でも最下位、ワースト1に位置する実質公債費比率が示すように、長野県は相変わらず厳しい状況であり、財政破綻で全国に衝撃をもたらした北海道夕張市のような長野県にならないためにも、今回大幅に増額になった公共工事の必要性の基準を明確に県民に説明すべきであると感じられます。国が公共工事を削減する傾向にある中で、知事は会見で「本当に必要なことに財源を配分した予算」と発言されましたが、「どの程度必要なのか」の質問に対し「目安はありません」とお答えになっておられました。
財政逼迫を呼んだ過去の経緯があるだけに県民はまず「長野県は大丈夫?」という素朴な単純な疑問の上に立っていると思いますので、税金を払っている県民に判りやすく明確に説明責任を示して頂きたいと思います。
又、昨日発表された「行財政改革プラン」では、財政構造の改革として、5年間で計874億円余の歳出を削減し、717億円余の増収を目指す。預貯金に当たる基金の取り崩し傾向は続くものの、財政再建団体への転落は回避できる竏窒ニの見通し。
H19年度末の県債残高は1兆5027億円、H18年度末の1兆5200億円と比べて173億円減るとなっていますが、田中県政時に公表されたように、今後3年間は、誰が知事になろうとも、幾ら借金をしようとも、県債残高は減っていく仕組みになっているとの事でしたので、村井県政の財政の真価が問われるのは4年後以降からとなる訳です。
この時に財政再建団体に転落することのないよう、県財政が健全化へ向かうために、長期を見据えた政策が必要であると感じます。
又、3時から市町村長が村井知事と県政や地域課題について意見交換する「ボイス81」の長野地域会議が県庁で開かれ、地元議員として永井議員が出席されました。
立春も過ぎ、全国的に春のような暖かさが続く中、節分の3日には、県内各地の寺や神社等で豆まきが行われ、各会場とも家内安全・商売繁盛・長寿開運などを祈願する多くの参加者でにぎわいました。
地元上田市の別所温泉、常楽寺・北向観音では「北向山節分追儺式」が行なわれ、豆まきには大相撲の九重親方や女優の山本陽子さん、常連になっている砂川啓介さん、大山のぶ代さん他多数の芸能人等も参加され、2日に天台座主に御上任された半田孝淳師(89歳)の就任祝いも兼ねて例年になく晴れやかに賑やかに行われました。半田孝淳師は今後、天台座主として活動の場を比叡山に移されることもあり、お祝いとお別れ、福を求める人たちで賑わいました。半田孝淳師は、宗教界と世界平和のためにご尽力され、お人柄は、大変気さくで「おっしゃん」「おっしゃん」と多くの人々に親しまれ愛されてきました。この度の御座主就任を地元の方々は「故郷の大変な誇り」として喜ばれています。
島田議員は、節分の前日から2日間、恵比寿・大黒・お稲荷さんの装束をまとった「信州年中行事を守る会」の皆さんらと共に、障害者施設や福祉施設、高齢者施設、商店街や企業、神社や寺など数十箇所を廻りました。もう二十数年続けていますが、こうした伝統行事を通じて人々の心の絆が優しく温かくなってくことが必要と感じます。